gLupe のご紹介

この度 ISP は、 AI 外観検査ソフトウェア gLupe の製品版をリリース致しました。
ここでは、 gLupe でどのようなことができるのかをご紹介致します。

少ない、正常データのみで学習可能

AI の代表技術 Deep Learning は機械学習手法の中でも精度良く学習してくれますが、その代わり大量の学習データを必要とします。これをこのまま外観検査に適用しようとすると、 Deep Learning の学習を始める前の、データ集めの段階で非常に時間・労力が掛かってしまいます。

通常のDeep Learningによる学習
通常のDeep Learningによる学習

gLupe は Deep Learning を応用した AI エンジンを搭載していますが、 ISP 独自の技術によって少ない学習データ、かつ正常データのみで学習することができます。少ないとは実際にどれくらいなのか、と気になるところですが、対象の製品・検出したい異常にもよりますが 20 〜 50枚程度の正常データ(と、学習後の評価用として異常データ各数枚)を準備できれば、まずはどのように検出できるのかが評価できるでしょう。

gLupe による学習
gLupe による学習

gLupe の構成

ISP 外観検査ソフトウェア gLupe は開発キットの形態を取っており、既にお使いの、あるいはこれから開発を検討されている外観検査システムに組み込んでお使い頂けます。提供する構成は以下のようになっております。

学習・評価用アプリケーション

検出評価をお手軽にできるよう、学習・評価用の GUI アプリケーションをご用意しております。

画像をドラッグ&ドロップで渡すだけで学習・評価ができます。評価画面では gLupe の答えた“異常度”スコアに応じてヒートマップがオーバレイ表示され、異常箇所を視覚的に表現します。異常度スコアの閾値を変えると動的にヒートマップ表示も更新されるので、異常判定に使う閾値の決定に便利です。

gLupe は、検査画像において異常とする確率をピクセル単位で表現した“異常度マップ”を出力します。つまり、単純に OK / NG の結果を返すのではなく、異常である確率の高い場所を答えてくれる、というのが特長です。
この異常度マップに基づいて元画像にヒートマップがオーバレイされ、どの辺に異常があるかを視覚的に表現することができます。

学習モデルはエクスポートでき、次にご紹介する 推論ソフトウェア開発キット を使って外観検査システムに組み込むことができます。

推論ソフトウェア開発キット

推論ソフトウェア開発キットは、学習・評価用アプリケーションでエクスポートした学習モデルを適用した推論エンジンを外観検査システムに組み込むための開発ライブラリです。 Windows DLL の形態を取っており、外観検査システムからはその DLL の関数を呼ぶことで gLupe の推論機能をお使い頂けます。

gLupe の使い方

gLupe を使う上で最初に考えるべき重要なポイントは、入力する画像データと出力される結果の使い方です。以下にコツを簡単にご紹介します。

データの撮り方

gLupe に与える画像データは、一般的な画像処理ベースの外観検査システムと比較して撮影条件(対象物の位置、光の当たり方など)にはそれほどシビアではありませんが、どのような撮り方でも良いわけではありません。少ないデータで学習する都合上、正常とする“状態”のバリエーションが多いと学習しきれないことになります。
対象物の位置・角度、照明の当たり方など、撮影条件は極力一定になるようにしてください。

照明の当たり方が一定でない
位置・角度がバラバラ

“異常”の判定

gLupe が回答するのはピクセル毎の異常度のマップです。 gLupe を組み込む外観検査システムは、この異常度マップを基に正常か異常かを決める必要があります。
例えば、学習・評価用アプリケーションのように異常度の閾値を決め、一定の異常度を超えたら“異常”とする、といった使い方が考えられます。

最後に

本記事では gLupe の簡単なご紹介と、ちょっとしたコツをご説明しました。 gLupe のさらなる製品情報につきましては gLupe 製品サイト (https://glupe.jp/) をご覧ください。また、 gLupe を使う上でのもう少し詳しい技術的なコツは、後日ご紹介する予定です。