ISPの、「・・・ING」

つねに、現在進行形。製品開発プロセスと次なるテーマ、ほんの少しお話しします。

by wazalabo-editor 2013/12/18

つねに、現在進行形。開発のプロセスと次なるテーマ、ほんの少しお話しします
12月4日(水)、東京・渋谷のISP本社にお客様をお招きし、多岐にわたる保有技術と製品群を皆様に知っていただく「ISPオープンラボ」というイベントを開催しました。
イベント会場では、各セグメントの若手~中堅社員に、インタビューを敢行。製品化の過程や研究環境、そして次なる開発テーマについても、ほんの少し、お話しします。

ISPの、「・・・ING」

ISP「・・・ING」~こんな人が、創ってます [1]
事業本部 第1事業セグメント 村瀬知彦

医療・ヘルスケア分野のシステム開発を担うグループの一員。

—医療システムの開発にあたっては、何が重視されるのか?

村瀬: 私たちが手掛ける製品分野は、とりわけ、“IT以外”の知識が大切だということを、日々実感しています。つまり、お客様ことをより深く、幅広く理解することが、開発の前提となるわけです。そのために、第1事業セグメントでは現在、医療・ヘルスケア業界の最新知識を学ぶため、専門家をお招きして「医療セミナー」を開催しています。また、全国各地で開催されている医療関連の展示会に、個々のメンバーが足を運び、そこで得た知見を社内にフィードバックしています。

—開発の生産性を高めるために、どのような工夫をしているのか?

村瀬: つねにゴールを明確にして、無駄な工数が発生しないように心がけています。私たちにとってより大きな課題は、開発に成功した後のフェーズ、つまり「世の中に知っていただく」プロセスかもしれませんね。第1事業セグメントの製品群と保有技術を、医療業界に向けてより幅広く情報発信できるよう、知識レベルとプレゼンテーションスキルの底上げを図っています。

—これからチャレンジしていきたい領域は?

村瀬: ISPが培ってきたビッグデータ/統計解析の技術と、医療システムのノウハウを組み合わせて、斬新な製品を生み出してみたいと考えています。

12月4日(水)の「ISPオープンラボ」に出展した、医療システム向けコンポーネント「jWaveform」。
12月4日(水)の「ISPオープンラボ」に出展した、医療システム向けコンポーネント「jWaveform」。

ISP「・・・ING」~こんな人が、創ってます [2]
事業本部2 第2事業セグメント 高橋陽平

現在、M2Mおよびビッグデータ分野のシステム開発に注力。

—-社会からの注目度が高い「M2M」の領域で、ISPはどんな取り組みを進めているのか?

高橋: 第2事業セグメントの重点方針のひとつが、M2Mの事業モデルを確立することです。総務省が推進している、次世代ネットワーク基盤技術に関する研究開発事業に対して、ISPは2013年に、M2M とPIAX(P2P Interactive Agent eXtensions)を活用したセンサーデータの売買を可能にする決済プラットフォームを提案し、採択されました。このプラットフォームは、たとえばセンサーが組み込まれたデバイスを地域の要所々々に設置し、機器群が計測した気温や紫外線などのデータを、自社に必要なエリアに絞って購入できるしくみを構築したりできる、斬新なシステム基盤です。現在、「HOTARU」という開発コード名で、この新しい決済システム基盤の開発に従事しています。

現在、開発中の決済システム基盤「HOTARU」。今回の「ISPオープンラボ」では、パネルによる説明を行った。
現在、開発中の決済システム基盤「HOTARU」。今回の「ISPオープンラボ」では、パネルによる説明を行った。
—-開発過程では、どんなことが重点課題になっているのか?

高橋: やはり、セキュリティですね。単純な機器間通信ではなく、利用者個人の情報が深く関わってくるシステム基盤ですから、安全・確実に決済ができるセキュリティレベルを実現する必要があります。課題は、個人のプライバシーをどう守るか。たとえば、位置情報などです。自分の居場所を公開しなければ、タイムリーなサービスを受けられない場面がある。かといって、無条件に公開してもよいわけではありませんよね。では、どのようなルールに基づいて公開するのかを、熟慮する必要があります。もうひとつは、デバイス間の通信を、いかに効率よく行うかということ。たとえば省電力性能などを考慮しながら構築を進めていくことに、やりがいと楽しさを感じますね。

—-第2事業セグメントでは今後、どんな分野で技術開発と製品化を目指していくのか?

高橋: 今お話しした「M2M」に加え、「ビッグデータ」「組み込みシステム」という3つの技術領域を定め、研究開発に注力しています。

—-技術的な面で、ISPの強みはどこにあると思うか?

高橋: 異種技術を巧みに組み合わせたり、個々の社員が持つ突き抜けた発想を融合していける点が、大きな強みになっています。こうしたことが、顧客企業や共同開発パートナーへのユニークな提案につながっていると思います。


ISP「・・・ING」~こんな人が、創ってます [3]
事業本部 第3事業セグメント マネージャ 石塚寛之

画像処理製品の開発とマーケティングに関して陣頭指揮を執るマネージャ職の一人。

—-画像処理の分野で、現在、製品化に取り組んでいるものは?

石塚:  複数の開発案件を同時並行で進めており、そのうちの一つは、当社が培ってきた美肌ライブラリやクロマキー合成の技術を、証明写真市場向けにカスタマイズした製品となります。

—-ユニークなアイデアが生まれやすい職場環境をつくっていくために、ふだんどんな点に配慮している?

石塚:  ひとつは、コミュニケーションです。幸い、談論風発の場が、職場のあちこちで自然に生まれるような環境になっていると思います。もうひとつは、情報共有。各メンバーが今、何をやっているのかを、全員で把握できていることが大切だと考えています。そのうえで、個々のメンバーが生み出したプログラムやノウハウ、ドキュメントなどを全員で活用できるしくみを用意し、技術スキルの底上げにつなげていこうとしています。

—-最近の若手社員を、どのように評価している?

石塚:  “粘り”がありますね。今回のISPオープンラボにも出展したシューティングシステムの開発に加わった若手社員は、品質に対する高い基準を設け、かつ、おもしろい製品に仕上げようというこだわりを持って、自分で納得できるまで徹底して改良を重ねていました。仕事に向き合う時の彼のような姿勢は、私たちISP全体の組織風土にもなっています。

ソフトウェアの高い技術力を保有するISPだからこそ実現できる、ユニークなハードウェア製品の一例として、シューティングシステムを出展。標的に向けてシューティングを行うデモで、会場が盛り上がりました。
ソフトウェアの高い技術力を保有するISPだからこそ実現できる、ユニークなハードウェア製品の一例として、シューティングシステムを出展。標的に向けてシューティングを行うデモで、会場が盛り上がりました。
—-今回の「ISPオープンラボ」は、お客様だけでなく、他部門の社員も数多く来場していた。彼らの反応を、どう見ている?

石塚:  画像処理製品は、実際に見てみないと実感が湧かないものです。ですから今回のオープンラボで、かなり理解が深まったと思います。今後は、他の事業セグメントからも、おもしろいアイデアがもたらされるのではないかと予想しています。

—-今後はどんな領域をねらって、製品化を目指していくのか?

石塚:  ISPの画像処理製品は、現時点では「人物」に特化したものが多い。この分野で今後、私たちが目指していくのは、「機械の介在」を感じさせない処理性能を持った製品です。つまり、私たちがリアルの世界で人間を見ている時の「自然で、ありのままの姿」を、画像処理技術によって実現したいと、強く思っています。