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Jetson Nanoが使えるようになるまで

今までのJetsonシリーズと比べて非常に安価な組み込み向けGPU機器「Jetson Nano」。
何かと話題に上がっていますが、ISPでも数台手に入れて、動作検証をしています。

まず手始めに、ISPのデモで度々活用している「ZED Cameraを使った人物距離検出システム」を動かすことに挑戦してみました。

本記事では、人物距離検出デモを動かせるまでのJetson Nanoに対する試行錯誤を書きました。

ZED Camera を使った人物距離検出システム (完成形)

ZED Camera を使った人物距離検出システム (完成形)

機材

Jetson Nanoを安定して動かせるようになるまでに以下機材を購入しました。

No. 名前 使用 備考
1 Jetson Nano  
2 5V4A ACアダプタ 写真右上
3 5V2A ACアダプタ × 写真右下
4 microSDカード 購入したカードのスペックは後述
5 ジャンパピン ピンのショートに利用

pic02

1. microSDカードの選定

Jetson Nanoには記憶媒体が付属していないため、自分でmicroSDカードを用意する必要があります。
ここで重要なのがmicroSDカードの容量よりも転送速度です。UHS-I & U3 & A2 のカードがベストです。

項目 代表的な値 説明
スピードクラス U1 or U3 U の中に数字の 1 もしくは 3 で表記してある。
U1は最低10MB/s、U3は最低30MB/sの動作が保証されている。
ランダムアクセス速度の精度 無印 or A1 or A2 メモリへのランダムアクセスの速度。A2が最も速い。

詳しくは「SDカード 種類」などのキーワードで検索してみてください。
U3 and A2のmicroSDカードを使用したところ、特にストレスなくUbuntuデスクトップ環境を動作させることができました。

なお、本記事に合わせて、U1のmicroSDカードで速度評価してみようかと思ったのですが、以下のように、あまりに動作が悪いので止めました。

  • デスクトップ環境で時々反応が悪い。
  • コマンドラインの場合でも、ls や mkdir すると待ちが発生。
  • etc…

2. 電源アダプタの購入

Jetson NanoはUSB – microUSBケーブルによる5V2A給電で動作させることができるので、電源アダプタを購入しなくても動作させることが可能です。

しかし、マウスやキーボードを接続していくと、その動作のための電力も必要となり、結果本体の電力が枯渇します。
実際、microUSBケーブル給電では、起動中デスクトップ画面が表示される手前で電源が落ちてしまう現象が数回に1度の割合で発生しました。

よって、安定して動作させるためには電源アダプタ (内径2.1mm、外形5.5mm) が必須となります。

今回はまず5V2Aのアダプタを購入して試してみましたが、ZED Cameraの電源供給が間に合わず、使用することができませんでした。
結局、5V4Aのアダプタで正常に動作するようになりました。

なお、電源アダプタを使用する場合は、Jetson NanoキャリアボードのJ25ピンをショートさせる必要があります。

pic03

3. 人物検出デモ動作

ここまでやって、ようやく通常のUbuntuデスクトップ機として動かせるようになりました。
あとは、必要なミドルウェアを入れ、人物検出デモを動かします。

ZED Camera を使った人物距離検出システム (完成形)

体感的にJetson TX2のMAX_Nモードには及ばないながらも、気になるほどの遅延はなく動作していました。

おまけ ~消費電力測定~

以前にJetson AGX Xavierで測定したのと同様に、Jetson Nanoについても消費電力を測ってみました。
以下、5V4A電源アダプタに接続した上で起動してワットチェッカーやオシロスコープで測定しました。
また、nvpmodel はいずれもmode 0 (通常) です。

接続している電源アダプタは5.18V。 オシロスコープはDC給電部に0.025Ω±5%の抵抗を接続した箇所で計測します。
以下、縦軸方向1マスで10mVなので、1マスの電流量は0.4A、消費電力は約2.6Wとなります。 オシロスコープには0.025Ω±5%の抵抗をACアダプタに取り付けた状態で接続します。

A) 起動時

計測時は2W~3W。
5V4A電源アダプタでは、Jetson Nanoが落ちてしまうような状況を計測することはできませんでした。
microUSB給電は安定しなかったのかもしれません。
A

B) 安定動作中

デスクトップ画面が表示された後の状態。3W程度の消費電力量。
特に落ちることなく安定しています。
B

C) 人物距離検出中

人物距離検出デモを動作させている時の計測結果です。15W程度でした 。
10Wが限度の5V2AのACアダプタではやはり足りなかったようです。
C

まとめ

Jetson Nano が使えるようになるまでをまとめてみました。
大きさも小型で、(TX2やXavierには及びませんが) それなりにパワフル。非常に使いやすいデバイスですね。
今後も有効活用の可能性を探っていきます。

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