2023年度ロボット学会学術講演会参加レポート

2023年度ロボット学会学術講演会参加レポート

2023/9/11(月)~2023/9/14(木)に仙台で開催された、ロボット学会主催の学術講演会に参加してきました。

第41回日本ロボット学会学術講演会(RSJ2023)

この学術講演会は、ロボットに関するテーマ全般を扱っているため、ハードウェアの話からソフトウェアの話まで、様々な講演があります。

ISPでは、ロボットに関するシステム開発も行っており、私自身、移動ロボットのシステム開発をしています。特に、移動ロボットにおいて重要な技術要素の一部である、経路計画や自己位置推定・SLAMに関する情報収集を目的として、今回参加しました。 また、最近注目されている基盤モデルのセッションについても参加してきました。

第41回日本ロボット学会学術講演会 ポスター写真/会場 仙台国際センターの外観
写真右:今回の会場である仙台国際センター

講演の紹介

自己位置推定・SLAM

「自己位置推定・SLAM」「確率ロボティクスとデータ工学ロボティクス ~認識・行動学習・記号創発~」のセッションに参加しました。

自己位置推定は、主に移動ロボットで必須となる技術ですが、ロボットの種類・センサーの種類・周辺環境・計算リソースなどによって様々な手法があります。センサーの種類(カメラやLiDARなど)により代表的な手法がいくつかあるため、基本的にはそれらをベースとした手法が多いですが、今回参加したセッションでも、幅広い種類の講演がありました。 必須かつ条件によっては難易度も高くなる技術でもあるためか、注目度が高く、セッションによっては満席近くなるものもありました。

特に興味深かった講演は、「PLATEAUの3D都市モデルを活用した自律移動ロボットの自己位置推定」です。自己位置推定に必要なマップ情報として、PLATEAUを利用したとのこと。

PLATEAU:国土交通省が公開している3D都市モデル

建物内部の情報が使用したPLATEAUのモデルには含まれないなど、センサーから取得できる環境情報との乖離に関する課題はあるとのことでしたが、興味深い取り組みでした。 私も自己位置推定のためのマップ作成をSLAMを用いて行った経験がありますが、実際にロボットを走行させる必要があり、広いエリアであるほど、大変な作業になります。このような公開されたデータを使って、少しでもマップ作成作業を簡略化できる手法が確立されると良いと感じます。

経路計画

「歩行者とロボティクス」「インテリジェントホームロボティクス」「経路計画・動作計画」「確率ロボティクスとデータ工学ロボティクス ~認識・行動学習・記号創発~」のセッションに参加しました。

自己位置推定同様、経路計画もロボットの種類・センサーの種類・周辺環境・計算リソースなどの違いにより、幅広い種類の講演がありました。

興味深かった講演は、「車輪-跳躍移動機能を有するハイブリッド型ロボットの行動・経路計画の検討」です。問題設定を、宇宙における地下洞窟などの過酷な環境としており、スリップ等の移動の不確実性を考慮した経路計画に関する研究でした。 過酷な環境では、移動はもちろん、自己位置推定の不確実性も考慮した経路計画の重要性を改めて感じました。

基盤モデル

「基盤モデルの実ロボット応用」のセッションに参加しました。本セッションは、2023年度から新たに追加されたとのことです。会場は満席状態で、各講演後の質問・ディスカッションも盛んに行われました。ロボット界隈での注目度の高さを感じました。

始めの講演では、座長である東京大学の河原塚健人先生、松嶋達也先生より、チュートリアルがありました。基盤モデルをロボットに応用するにあたり、最新の研究動向や現状の課題の紹介がありました。 基盤モデルとは、大量かつ多様なデータで学習したモデルであり、一つのモデルで複数のタスクに応用できる利点がある反面、構築するにはそれ相応のデータを集める必要があります。ロボットは、機体の種類も豊富で、センサーも多様であり、また実機を動かす必要もあるため、データが集まりにくいのが実情です。これがロボットに基盤モデルを応用する上での大きな課題の一つとのことでした。

ここ一年で急速に研究が進んでいるとのことで、引き続きウォッチしていきたいと思います。

ISPも機器展示をしました

『マルチエージェント無線メッシュネットワークソリューション』のデモを、小型のローバーを使用して行いました。

RSJ2023-機器・書籍・カタログ展示企業一覧

第41回日本ロボット学会学術講演会 ISPの機器展示