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クリエイター登場 第一回:株式会社電報児 代表取締役 田村隆匡氏[前編]

「技ラボ」に、新コーナー登場!「クリエイター登場」

ICT・映像制作・医療などの分野で、新しい技術や斬新な表現手法を開拓している気鋭のクリエイター/エバンジェリスト(*)らが登場する、新コーナーを設けました。
各界の第一線で活躍する彼らに、他に類を見ない優れた“技”やユニークな着眼点、日々の業務で重視しているポイントなどを語っていただきます。同時に、ISP製品への評価や活用方法についても、おうかがいしていきます。
第一回は、映像制作ディレクターであり、Adobe認定トレーニングスクール「電報児」の塾長でもある田村隆匡氏にご登場いただきます。

(*) 技術やノウハウの伝道者。

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第一回
株式会社電報児 代表取締役 田村隆匡氏[前編]

ディレクター・Adobe認定インストラクター

日本初のAdobe認定映像系スクールを運営


田村隆匡氏は、もともとはプロのダンサーを目指しており、1994年、ダンサー修行のためにニューヨークに渡ったという異色の経歴の持ち主。その後、米国で使っていた映像編集ソフトを携えて2年後に帰国。1999年にApple DreamCMコンテスト「Mac World賞」を受賞したことをきっかけに映像ディレクターへの道を歩み、現在ではAdobe認定インストラクター、そしてテレビ番組やPV制作など、多方面で活躍されています。田村氏が運営する「電報児」は、日本では初の映像系Adobe認定スクールなのだそうです。

ISPが田村氏と初めてお会いしたのは、クロマキー合成ソフトウェア「ROBUSKEY for After Effects」開発中の2009年5月。開発途上のプラグインをレビューしていただいたのがきっかけです。たいへんきめ細かな評価をしていただき、また、貴重なアドバイスも多数頂戴しました。その際に印象的だったのは、技術やスペック面以外の、こんなコメントでした。「After Effectsプラグインで、日本語メニューというのは、じつは少ないんですよ。マニュアルや合成サンプル映像のモデルに日本人を起用しているのも珍しい。これから映像を始めようという方には、分かりやすく親しみやすいのが一番。とてもよいと思いますよ」(田村氏)。自らの作品づくりと並行して、書籍の執筆、スクールでのトレーニング業務、さらにはAdobe Systemsのビデオ製品リファレンスメニューマニュアル作成にまで深く関わる田村氏ならではの、ユーザ側に立った明確な視点を感じました。

田村隆匡氏が、
自らの仕事とスクールについて語る

書籍・トレーニングで伝えていきたいこと

私たちのスクールでは、Adobe After EffectsやAdobe Premiere Proなどの映像の基礎を少人数制でじっくり学べるトレーニングコースを提供しております。また、それらのツールを用いた映像制作技術の書籍も執筆しています。
最新の著作「After Effects 実践講座」では、書籍の内容や応用的な技術を動画でも見ることができるように、電報児のYouTubeチャンネルとの連携を充実させています。映像コンテンツと書籍の内容を、より有機的に連携していくために、次のステップでは本格的な映像でのオンライントレーニング教材の充実を構想しています。


左:「After Effects 実践講座」電報児タムラ・電報児カトウ著/「プラグイン紹介」欄にて、ROBUSKEYをはじめ、ISPのプラグイン製品をご紹介いただきました。
右:電報児のYouTubeチャンネル(http://www.youtube.com/user/DENPOZI

映画の世界には、構図やカメラワークなど、絵づくりのテクニックに定番の手法があります。演出の定番がしっかり理解できているからこそ、ツールや機材の知識が活きてきます。欧米では分かりやすい書籍がたくさん発行されているのですが、国内に目を向けると、日本語で書かれた書籍の点数や演出の基礎を学べる機会は、とても少ないと感じます。そこで私たちのスクールでは、「どんな絵を作りたいのか」を切り口に、ツールの使い方を説明するようにしています。たとえばクロマキー合成であれば、撮影時の照明が非常に重要になってくるので、そこを丁寧に説明します。

クリーンバック撮影風景

「妄想力」を、どう磨いていくか


2006年4月に開設した「Digital Cinemaコース」では、映像編集技術だけでなく、撮影技術や照明技術、構図の取り方など、ストーリーを語るための「絵づくり」の手法を全般的に身につけてもらうことを重視しています。

たとえば、Google Sketch Upや撮影構図作成ソフトなどで、セット・演者・照明・カメラを立体的に配置し、撮影現場のシミュレーションを行い、絵コンテに落とし込みます。映像は、演者や撮影スタッフ、照明スタッフなど、複数の人間が協力して作り上げるもの。フレームで切り取られた出来上がりの絵だけでなく、その絵を実現するための構造を設計する必要があるのです。言ってみれば「妄想力」の磨き方でしょうか。自分の創造性をどこまでつきつめられるか?妄想をどうやって映像という形にしていくのか?この能力を磨いていくことが、とても大切になっています。

写真上:撮影実習風景を写真や動画でわかりやすく紹介。
写真下:Google Sketch Upや撮影構図作成ソフトで撮影現場のシミュレーション。 

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蓄積してきた制作ワークフローがリセットされ、試行錯誤の日々が続く

私がスクールを始めた当時と比べると、映像制作はとても始めやすい環境になっています。たとえば、カメラなどの機材のレイヤーだけを見ても、「スチール写真」と「映像」の境界線が近年あいまいになってきており、人も技術も猛スピードで交わっているところです。機材にかかるコストも低下しています。ですから現在は、映像制作を始めるには絶好の機会だと言えるでしょう。実際、「Digital Cinemaコース」には、年齢も職業もさまざまな方が受講されています。


電報児DigitalCinemaコース撮影実習風景

カメラの撮影実習では、白ホリでのスタジオではなく、今期からはカフェスタジオを使わせてもらっています。スタジオだと、セットを組んだ場合に照明や機材は扱いやすいのですが、カフェスタジオを使うことで受講生に馴染みやすい空間を演出でき、実世界の被写界深度などの奥行きを体感できるように、あえてお手軽な場所を選びました。「カップがあって、その向こうに人物がいて・・・」という日常的な構図の中で、カメラ操作によってどんな心象風景が作れるのかを、自由に空間を演出しながら操作できます。スペックや操作方法をフラットに知るのではなく、「どんな絵を作りたいのか」を実習の場で意識してもらえたら嬉しいですね。

以前から映像の仕事をしていた私のような人間にとっては、ワークフローがリセットされ、当面は試行錯誤が続きそうです。新しい技術や機材にワクワクしながらも振り回されずに、自分の作品づくりとスクールの仕事を両立させていきたいと思っています。


作品の1シーン

Coming Soon —[後編]に続く—

プロフィール

株式会社電報児 代表取締役 田村隆匡氏
ディレクター・Adobe認定インストラクター

●電報児タムラ ブログ「デジタルシネマ実践」
http://takafire.blogzine.jp/funto/

●After Effects講座 映像トレーニング 学校 電報児
http://www.denpo.com/

●電報児Youtubeチャンネル
http://www.youtube.com/user/DENPOZI

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