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縮小・拡大処理について その5~視覚特性を考慮した縮小処理~

CZPを用いた縮小処理でアルゴリズムの持つ空間周波数特性を明らかにすることができました。  しかしながら空間周波数特性に優れた縮小ならば高品位な縮小というわけではありません。

(空間周波数特性に優れた縮小)≠ (高品位な縮小)

画像の良し悪しを評価するのは人間であるため、人間の視覚特性を考慮する必要があります。

私たちが開発した視覚特性を考慮したISPアルゴリズム は、この応用例の一つとして、以下のようにモアレを抑えた縮小を実現しています。

30%ISPアルゴリズム

視覚特性を考慮したISPアルゴリズムで30%に縮小

30%バイキュービック法

他社フォトレタッチソフトで30%に縮小(バイキュービック法)

次に視覚特性を考慮した縮小処理とモアレへの応用例について、説明いたします。

※コンテンツの画像は、モニターのγ値設定がγ=2.2であることを前提としています。
γ値の設定が適正でない場合は、正しくご覧頂けない場合がありますので、ご注意下さい。

CZP再考

空間周波数特性の評価で使用したCZP をもう一度見直してみます。
下の画像は512×512のCZPです。

CZP解説画像

CZP (512×512)

視覚特性を考慮した縮小処理は、画像を遠くから見たときの見え方を再現する処理と捕らえる事ができます。 つまり1/2の縮小とは50cmの距離で観察している画像を、1mの距離で観察したときの見え方をシミュレートする処理と捕らえる事ができます。
まずは上のCZP 512×512をモニタから1メートル以上離れて観察してみてください。

中心から離れるにしたがって緩やかに縞模様が消えてグレーになり、4隅や辺の真中付近に同心円の縞模様が現れるはずです。

視覚特性に忠実な縮小アルゴリズム

私たちは空間周波数特性という数学的な特性を追及した後に視覚特性を考慮することで、視覚特性に忠実な縮小アルゴリズムの開発に成功いたしました。
それでは、空間周波数特性に忠実な縮小を行った場合と、視覚特性を考慮したISPのリサイズアルゴリズム、一般のソフトウェアで縮小した場合を比較してみます。

まず、空間周波数特性に忠実な縮小を行うと以下のようになります。

CZP解説画像

CZP (512×512)を空間周波数特性に忠実に縮小

縞模様とグレーの境界がはっきりしており、4隅と辺の真中付近の同心円の縞模様が消えています。 空間周波数特性に忠実な縮小では縞模様とグレーの境界がはっきりしており、4隅と辺の真中付近の同心円の縞模様が消えています。

つまり、空間周波数特性に忠実であることと、実際の見え方とは一致しないということです。

次は、視覚特性を考慮したISPアルゴリズムで縮小した場合と一般のソフトウェアで縮小した場合です。

CZP 512×512 1/2縮小

ISPアルゴリズム

A.視覚特性を考慮したISPアルゴリズム

一般フォトレタッチソフト

B.一般フォトレタッチソフト

デジカメ画像加工ソフト

C. デジカメ画像加工ソフト

縮小専用ソフト

D. 縮小専用ソフト

CZPを離れて観察したときの見え方と上記の画像を比較してください。Aが実際の見え方により近いことが確認できることと思います。

※コンテンツの画像は、モニターのγ値設定がγ=2.2であることを前提としています。
γ値の設定が適正でない場合は、正しくご覧頂けない場合がありますので、ご注意下さい。

MCZPの縮小

縮小アルゴリズムのモアレに対する品質を検証するためにMCZP(Modified Circular Zone Plate)の縮小を提案いたします。

CZPは理論的な周波数特性を評価することはできましたが、視覚特性は考慮されていません。
以下の視覚特性を考慮したMCZPの縮小を評価することで、実際の視覚特性に近い評価を行うことが可能になります。

※以下のMCZPは、モニターのγ値に対して非常に影響を受けやすい画像です。
中心以外に同心円が見える場合はモニターのγ値が2.2に調整されていないと思われます。この場合、γ値を調整してからご覧下さい。

mczp

MCZP元画像(512×512)
Windows用MCZP(BMP)
Macintosh用MCZP(PICT)

MCZPの1/2縮小

以下は各種の方法でMCZPを1/2縮小した場合の画像です。

MCZP(512×512) 1/2縮小

ISPアルゴリズム

A.視覚特性を考慮したISPアルゴリズム

一般フォトレタッチソフト

B.一般フォトレタッチソフト

デジカメ画像加工ソフト

C. デジカメ画像加工ソフト

縮小専用ソフト

D. 縮小専用ソフト

「A.視覚特性を考慮したISPアルゴリズム」以外はすべてモアレが出ています。

モアレの抑制

画像を縮小する際にはモアレが問題となることがあります。高価なフォトレタッチソフトはバイキュービック法を採用していて、このモアレの発生を極力抑えています。しかし完全にモアレを抑制できるわけではありません。

極端な例ですが、下の画像のように白と黒が1ドット置きに並んだ縞模様を、99%などの100%に近い比率で縮小すると、ほとんどの縮小アルゴリズムでモアレが発生することを確認できます。

白黒の縞模様

白黒の縞模様(100%)

ISPアルゴリズム

視覚特性を考慮したISPアルゴリズム
(99%縮小)

デジタル画像編集ツール

フォトレタッチソフトのバイキュービック法
(99%縮小)

「視覚特性を考慮したISPアルゴリズム」でもモアレが発生していますが、バイキュービック法に比べて、目立ちにくくなっています。これは視覚特性を考慮した処理を行っているからです。

※コンテンツの画像は、モニターのγ値設定がγ=2.2であることを前提としています。
γ値の設定が適正でない場合は、正しくご覧頂けない場合がありますので、ご注意下さい。

縮小倍率によるモアレの比較

以下は、視覚特性を考慮したISPアルゴリズムとフォトレタッチソフトを使用して、いくつかの倍率で縮小した時のサンプルです。

モアレサンプル画像

A. 縮小時にモアレの出やすい画像

Aの画像は白黒の縞模様を含んでおり、縮小時にモアレの出やすい画像です。これをさまざまなサイズに縮小して、ISPアルゴリズムと一般的なフォトレタッチソフトのバイキュービック法を比較します。

視覚特性を考慮したISPアルゴリズム バイキュービック法
35%ISPアルゴリズム
35%縮小
35%バイキュービック法
35%縮小
30%ISPアルゴリズム
30%縮小
30%バイキュービック法
30%縮小
20%ISPアルゴリズム
20%縮小
20%バイキュービック法
20%縮小

以上のように、モアレの抑制に関してバイキュービック法に比べ視覚特性を考慮したISPアルゴリズムが優れていることが評価いただけます。

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